「新築工事完成後10年以内の窯業系サイディング不具合対処法」解説アップしました

この道48年のDr、サイディングこと
住宅リフォーム事業者団体国土交通大臣登録第14号
(一社)木造住宅塗装リフォーム協会代表理事 古畑秀幸が
新築建設から10年以内の 窯業系サイディングの不具合=227件の
対処法を詳しく説明します。
新築完成・引き渡し後=10年以内の窯業系サイディング不具合への基本的な対応
1,シーリングの切れが原因で胴縁(最近は木材保存剤処理)が腐朽(含水率が30%以上・気温が25℃以上)し、
透湿防水紙は熱と水分、木材保存剤の影響により撥水機能の低下や穴あきにより雨水が構造材へ浸透し構造体が腐朽したり、
壁体内へ浸入する事案が有ります。
今回は新築後3年でのシーリング目地切れの発生となり重大な欠陥事象です。
早急に原因の究明と補修工事が必要です。
一般にシーリング目地の切れの原因は、材料(シーリング材、ハットジョイナー、プライマー=しかもメーカー純正品と汎用品)と施工に起因します。
2,原因の究明と補修方法の検討及び補修工事の費用負担に関しては、当事者であります、新築建設業者(元請け責任)、下請けの窯業系サイディング工事業者、窯業系サイディングの販売業者、製造業者(本体、純正部材、汎用部材)が、元請けの建設業者が中心となり関係者へ呼びかけて「不具合の原因究明」と「補修工事の方法」「費用負担」について、調査、検討を行い施主へご説明して了解いただき、補修工事を実施いたします。
特に高額な支出であります住宅建設では、各当事者は施主より直接または、間接的に「お金」を頂いており、不具合の原因究明と補修工事に関しては、当然ながら社会的責任があり、真摯に向き合う義務が有ります。
当協会は、住宅リフォーム事業者団体国土交通大臣登録第14号として2016年より500件以上の消費者の
「窯業系サイディング」関する相談を受け適切にアドバイスを実施しております。
併せ公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイアルより
「窯業系サイディングに関する相談」を依頼されており真摯に消費者対応を実施してきております。
□まずは、建設会社・分譲業者の方へ
・当方の見解書お見せし、窯業系サイディングメーカーと工事会社の3者で現場調査を行って、
報告書(不具合の状況=内容 部位 箇所)原因 補修方法 無料工事を
作成提出頂きます。
・その時は外壁全部を点検して頂きます。
・使用材料=本体 金具 シーリング材 ハットジョイナーなどメーカーの純正品なのか?
汎用安価品なのか?出荷証明書をもらって確認します。
□法律
・民法にて「契約不適合責任」にて10年以内であれば、原因究明と契約通りの内容へ無料補修工事、
又は値引き要求が出来ます。
・品確法=雨漏りと構造の不具合につき10年以内は無料補修工事対象となります。
・品確法以外の不具合は「2年間保証」・・・で業者は逃げることは出来ません。
□不具合事象が新築時の欠陥工事であるかの判定
・メーカーの保証対象かどうか?
割れ・剥離など基板について=10年保証か?
塗膜・シーリング材=10年 15年 30年保証か?
・メーカーの工事基準の違反かどうかです。
・工業会=(一社)日本窯業外装材協会の工事基準への適合かどうかです。
・一般に社会通念上の判断に照らします。
□全てのやり取りは文書・メールにて行い記録を残します。
電話の時は、メモを取ります。そのメモをメールにて送り相手側に確認をもらいます。
現場の調査時は、事前確認後「ビデオ撮影」を行い、画像と音声を残します。その時に不明点など質問して、
返答をもらいます。
□全てのやり取りで、返答 回答が必要な時は「期限=1~2週間」を設けます。
■工事会社の対応が悪い=来ない 門前払いなどの時。
・国土交通省運営の 住まいるダイアル 0570-016-100へ相談する
https://www.chord.or.jp/index.html
専門家(1級建築士)の無料相談 弁護士会の「住宅紛争審査会」弁護士の仲介も¥1万円で出来ます。
・消費者センター TEL 188へ電話相談する
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施主の方へ アドバイスです。
以下の自己点検を実施して早期の対応を行ってください。
1=新築完成引渡し前
2=引き渡し1年後
3=引き渡し2年前=大変の保証期間が「2年」です~~非常に重要なタイミングです。
4=引き渡し5年後
5=引き渡し10年前 「品確法」の保証期間です。 以降は全部自己負担の補修工事となります。
□点検の部位
・外壁=4周 下から軒天まで 特にシーリングの切れは、西面が最初に発生します。
風呂場の窓下 バルコニーの手すり壁
・屋根=バルコニーから見える範囲
・天井裏=クロゼットなどから天井点検口から覗き込みます
<1>新築工事における窯業系サイディングの不良工事=23項目
1、横目地のシーリング施工
2、切断後の板の幅が狭過ぎる=100㎜基準
3、下屋と外壁取り合い部=壁止まり 不良施工
4、バルコニー下部 オーバーハング部の施工
5、軒の出無し・パラペット=軒の納まり
6、シーリング工事の不良
7、下屋取り合い部 外壁か端部の処理が不適切
8、軒の出ゼロ=軒天回り通気不足 雨水の浸入が5倍になります
9、窓下 水切り=出寸法不足 伝い水防止機能無し
10、換気口 ベントキャップ湿気漏れ
11、造作バルコニー 笠木の下地不良
12、釘打ち位置の割れ
13、タッチアップ補修工事 はみ出し 忘れ
14、禁止工事=縦張窯業系サイディング材=横張
15、片流れパラペット部の施工
16、入隅部、開口部での片ハット型ジョイナー未使用
17、経てつなぎ・横つなぎ時に突き付け施工
18、同質出隅材を横使いする(バルコニーのオーバーハング部など)
19、ハット型ジョイナー(片ハット)を固定しないで施工
20、窯業系サイディングメーカーの非純正の部材(出隅・ハット・シール)使用
21、造作のバルコニー不良工事と調査
22、外壁通気構法=空気の入口・通り道・出口の不良~空気が流れない
23、縦どいの打ち込み留め金具(でんでん)をシーリング目地に打ち込む
<2>不良工事を見抜くタイミング
1,新築工事完了時の完了検査
2,引き渡し後(住んでから)=2年
この2年で大半の不良工事への無料補修工事の補償期間が終了ですので、
重要なのです。
3,引き渡し後 10年直前
法律=品確法 (構造と防水の10年保証)
民法=契約不適合責任
4,引き渡し後=10年過ぎでは保証、補償はなくなります
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